荒廃しゆく 死に逝く荒野の星 ファルガイア
僕と先生は その荒廃原因を割り出し
そこから再生方法を見出すために調査をしていた
だから僕は………… どうしても【想い出】を見つけたかったんだ……
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「なんだ!!?
どこなんだよココ!!」 その顔に気付いたか、男はフムと溜息を小さくつく。 「……先ほど……僕のイメージをインストールしているとか言いましたね…」 ギャロウズに支えてもらいながらクライヴが言った。 「イメージをインストール……つまり取り込んでいるという事は…… あなたは実態を持っていない存在だという事なのですか?」 クライヴはなんとか立ち上がって、ようやっとの事で言葉をつむぎ出す。 「僕のイメージがなければ体を保てない、そういう……種族なのですか?」 『実体はない。 だが、体ならある。』 男は言った。 『私の体は、お前達を包み込むモノ。 すなわち【空】そのもの。 我が名は【空】を司りし者。 天空に住まわる【始まり】から【終わり】までを見届ける【傍観者】だ。』 「……ソ………ラ……?」 「って、青いお空のことか?」 ギャロウズが上を指差して言うと、【空】を司りし者はコクリとうなずいた。 『誰の上にも平等に広がる、変わる事なき永遠なる蒼。 それが、私だ。 私にはカタチある姿がない。 故に……。 お前のイメージマトリクスをインストールし、 ここにこうしてダウンロードし、お前達と話せる様にしているのだ。』 「それでクライヴの姿をしてる………ってワケか。」 「それで? お空を司るヒトが、俺達に何の用なんだぃ?」 ギャロウズがさお面倒臭がる様な仕草をして言うと、【空】を司りし者はフッと右手の平を真上に舞わせた。 『私がお前達に用があるワケではない。 お前達が私の世界に飛び込んで来たのだ。』 「あ?」 『私の世界は星の空気とは違う空間…………全ての星と星とを繋ぐ亜空間…………。 お前達からしてみれば、言わば異界なのだ。』 「答えになってねぇよ!」 ギャロウズが声を荒くすると、【空】を司りし者はフッと顔をうつむけた。 『普通ならば、お前達がこの世界に干渉する事など有り得ないのだ。 なのにお前達はここにいる。 ……なぜだ? なぜお前達はここにいるのだ?』 「俺達は宝箱を開けただけだぜ。 ……そしたらいきなり目の前の風景が変わって………。 なぜここにいるのだと聞いたな。 それはこっちが聞きたいくらいだぜッ!!!」 ジェットも声を荒立てる。 「……私達を、元いた場所に戻す事はできないの?」 ヴァージニアが、1人落ちついた声で問うと、【空】を司りし者はコクリとうなずいた。 『それならば容易い。 この空間は私の意志と直接リンクしているからな。 私の意志1つで、お前達を元いた世界に戻してやれるだろう。』 「…良かった。 ………じゃあ、今すぐ戻し」 「待って下さい。」 ヴァージニアの言葉を遮るかのごとく、クライヴが身を乗り出して言った。 「【始まり】から【終わり】までを見届ける【傍観者】……………そう言いましたね。 【始まり】から見届けているのなら、知っているのではないんですか? 僕達の住むファルガイアの歴史を。」 息を喘がせながら言うクライヴの言葉に、3人はハッとした。 クライヴが言いたい事に気付いたのだ。 【空】を司りし者は静かにうなずく。 『いかにも………………ファルガイアは崩壊へと歩みを進めている老いた星………。 その消え行く命の灯火は、いつ消えてしまうか、いつ消えてしまうかと……目が離せん。』 「ならば教えて下さい!! あなたも見たはずです!! 僕達ファルガイアの民は……10年よりも昔のファルイガイアの記憶を奪い取られてしまっている!!! 今よりも、少しは緑のあった美しいファルガイアを………僕は思い出したい………!! お願いします!! あなたの知っている、10年前のファルガイアの姿を、教えて下さい!!!」 クライヴは、切実なる……かつ悲痛な声で叫び上げた。 その言葉に、誰も異論を唱える者は………止める者はいなかった。 皆知っているのだ。 彼の想いを。 しかし、【空】を司りし者の返答は彼にとっては冷たいものだった。 『言ったはず…………私は【始まり】から【終わり】までを見届ける【傍観者】……… 全ての世界を見届け、渡り歩ける権限を得た代わりに……カタチある者との干渉は禁忌とされているのだ。』 「元は残っていた記憶を語る事は干渉と言えないはずです!! だって、僕達には、少なからずとも10年前までは緑あるファルガイアの記憶があったはずなんですから!! 知らない知識を与えるワケじゃない……取り戻すべき記憶を思い出させるだけでしょう!!?」 それでも【空】を司りし者は首を横に振った。 『取り戻すべき記憶も…………所詮は【失われたモノ】に過ぎない……。 失われたモノは自分で取り戻す………誰の力も借りずに…。 そうしなければ、全ての生きとし生ける者達は前に進めないのだ………。』 「だけどッ!!!」 クライヴが叫んだ時、【空】を司りし者はそれまでうっすらと開けていた目をカッと見開いた。 同時に一行の体には強い衝撃が走り、ヴァージニアはペタンとその場に座り込んでしまう。 クライヴは、ガクリとひざを折り、その場にうずくまる。 「ク、クライヴッ!」 ギャロウズが駆け寄ると、クライヴは息をゼェゼェ言わせながらも立ち上がり、尚も【空】を司りし者を見つめた。 『頼れる者は頼れ……か? だが、永遠にそれを続けていては何の流れも変えられない。 考えるのだ、人間よ。 頼ってばかりでは、いずれ道が途切れる。 自分で道を切り開くのだ。』 【空】を司りし者はクライヴを見据えて言った。 『振り回されて、揺れて、揺れ動いてばかりでは、きっとどんな結末になったとしてもお前は後悔する。 自分で切り開いた道を進めば、きっと後悔しない。 自分で出した答えならば、きっと迷わない。 だから自分で捜すのだ。 お前が納得できる答えを。』 言って【空】を司りし者はクライヴに手を差し伸べた。 『他人の知識よりも、お前自身が調べ、その目で確かめて出した答えならば、 揺れる事なく、それはしっかりと根付き、真相に近付く。 ………それではダメなのか? 人間とは、そうやって道を作って生きていく生き物ではないのか?』 クライヴは答える事ができなかった。 『……………私は何も見なかった。 そして何も聞かなかった。 何も言わなかった…………。 良いな。』 【空】を司りし者が言った時、クライヴの足元が、まるで水面に水滴をたらしたかのごとく波紋を広げ、波立った。 同時に、波立った地面が真っ白に輝き出し、一行の衣服をバサバサ舞い上げるほどの突風を起こす。 「おわぁぁなんだぁ!!?」 「ス、スカートがぁ!」 「………。」(ジェット無言) 一行が光に包まれる様を、【空】を司りし者は静かな眼差しで見つめていた。 クライヴは、【空】を司りし者を見つめたまま黙り込んでいた。 やがて光はより一層強くなり、一行の誰もが真っ白な世界に放り出されてしまう……… 「おい………おい、クライヴッ!」 |
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寝ぼけ眼で描くと物凄いデキになります。(汗) モンスターが落としていく宝箱って色々なモノが詰まってますよね。トラップも含め。 クライヴさんと【空】との対決!みたいのを思い描いてたのですが、 |